日記
明日誕生日で30歳になる。
とくに感慨はない。
昨日、そういえば明後日には誕生日だと思いだした。
年齢を重ねるにつれて意識することが減った。
10代の最後や、20代前半は誕生日を迎えると、無意味に心の落ち込みや、誰かが祝ってくれるかもしれない期待があった。
歳を取るように、このまま40、50となって心が鈍くなれば、もう少し生きやすくなれるかもしれない。
仕事は栗の木の製材をしていた。
先週からずっと同じような作業が続いていて、単純作業に飽きてきた。
でも工業製品を作っていた製造業とは違い、木には個性があって、まだ面白味がある。
ガレージのような開けっ放しの作業場のため寒く、暖房もないため、沸かしたお湯をペットボトルにいれてズボンの隙間に差し込みお腹を温めている。
親に不動産の申込書を書いてもらった。
連帯保証人の欄。
同棲開始まで着々進んでいる。
考え始めると気が沈んでくるため、どうにでもなればいい。
制作もなにも努力をしていない。
焦り、不安。
人と比べ性格の悪い自分。
自己嫌悪。
あと1時間ほどで20代の俺さようなら。
おやすみなさい。