彼女の親の家に挨拶行ってきた
緊張した。
彼女と待ち合わせて、彼女の車に乗って家に向った。
自分は手土産を用意して、服装もきちんとしなくてはと思い
黒のパンツにセーター、上にジャケットを着てきた。
彼女は普段着っぽいラフな格好で、当然自分の家に向かうのだから
リラックスしてる風な雰囲気を感じた。
自分はまるで監獄かどこか恐ろしい場所へ送られる身の気分で
どうしてこうなったのだろう?といまいち現実味がなかった。
家に着いた。
立派な家だった。
洗濯物を片付けてる人が見えて、あれが母なのかと一気に緊張感が高まった。
どうするべきか?と考える間に家に引っ込んだ。
車を停め、家に入る。
玄関を開ける彼女に続いて入り、まず第一声「お邪魔します・・・!」
緊張するのもバカらしいと考えていた車内で、一つだけ頭に思い浮かんだのは
家に入ったら「お邪魔します」家から出るときは「お邪魔しました」
以前うちの社長に指摘された人の家に入るときの礼儀だった。
父と母らしき人物が出てきた。
スリッパを出され履くと和室に案内された。
一番最初に部屋に踏み入れ、上座?下座?どっちだっけ??
迷う私。
???
こっちが上座じゃない?と示す彼女、ナイスフォロー。
父 母
私 彼女
とテーブルを挟み顔を見合わせた。
沈黙。
何言えばいいんだ??
自己紹介すればいいのかな??
「えーと・・・自己紹介した方がいいですかね」
とりあえず手土産のお菓子の袋を渡しつつ、様子見した。
彼女が紹介してくれた「この方○○さん(くん)」
相手の父母も名前を言ってくれたが覚えていない。
その後、お茶とお菓子を出してくれて、頂きながらちまちまと喋った。
仕事は~
同棲すると聞いて~
相手の顔を見たくて~
今の時代は同棲してから結婚~
うちの親はこうで~
度々訪れる沈黙。
沈黙を恐れて自分から適当に喋りだしたら危ないと感じていた。
心配しているのは相手の親であって、聞きたいことは勝手に聞いてくるのだ。
彼女の父と母、聞いた話、会うまで自分は性格的に合わないだろうと思っていたが
意地悪なことも言わないし、なんとなくだが、好感を持てた。
何度かの沈黙を挟みつつも30分くらい話をした。
自分から言いたいことはないのだから、相手に任せよう。
そうして相手の親からこれくらいでいいんじゃない?という終わりの意向を見せ
顔見せは終了した。
ついでだから謎のベールに包まれてた彼女の部屋を見せてもらった。
面白味のない部屋だったから割愛する。
用事も済んだし帰ることにした。
帰りますーと言うと、出てくるご両親。
「お邪魔しました・・・!」
ミッションコンプリートである。