迷う、見失う。それでも何かを見つけたい。

東京から逃げるように地元に帰ったメンタル弱めの迷えるとりひつじ

読書感想文2冊「一歩を超える勇気」「仕事に効く教養としての世界史」

「一歩を超える勇気」

 単独・無酸素でエベレスト登頂に挑戦する栗城史多という登山家。彼はエベレストの山頂で中継するという目的のため、企業に営業をかけて多額の資金を集めます。一般人にはなかなか真似できない素晴らしい行動力だと思います。ですがわざわざ命の危険を高めてまで中継する意味は?と考えると疑問です。本には「冒険の共有」により同じく若い人達に「夢は叶う、人生は素晴らしい」のだと伝えたいとあります。確かに人の頑張る姿は勇気や感動を人々に与えることがあります。ですが、この人のやっていることはただの無謀であり、感動の押し付けであり、パフォーマンスであり、自己満足で自己顕示欲の現れのように感じました。私にはこの本の内容が終始気に食わないものでしたが、スポンサーを得て実際に挑戦出来た事実、また中継することによりニートや引きこもりから感謝の言葉が届いていることから、支持し賛同する仲間が集まっていることも確かなようです。一歩を踏み出し続けることで考えの近い協力者が増えていくことがわかりました。

 栗城さんを否定的な目で見る理由の一つに、岳という漫画を読んで「島崎三歩」と比較してしまう部分があります。彼はフィクションの中の人物とはいえ、自分で貯めたお金で山に行き、自分だけの力で山に挑戦します。同じエベレストに挑戦する二人でも大きく違うと思います。

 栗城さんの現在を調べると2018年エベレスト山中で死亡していました。本書では生き残ることが何より大事だと何度も強調しているにも関わらず、これでは本書の説得力はありません。ウィキペディアで経歴と人物の詳細を調べると本の内容とずいぶん異なっていることもわかりました。率直に言って私はこの人が嫌いです。ですが私の好き嫌いとは関係なく、一歩踏み出し続けることで周囲の協力を得て夢への実現は近付くのだとわかりました。

 

「仕事に効く教養としての世界史」

 今時のビジネスパーソンは日本の歴史を知りたい、学びたいようです。国際化が進み、他国とのコミュニケーションの際に、あなたの国はどのようなものか?と聞かれることが増えたためだそうです。この本では日本の歴史を知ること=世界の歴史を知ることが重要だと説いています。

 さすがに世界中の歴史を一冊の本にまとめるのは無理だったようで、ユーラシア大陸を中心に(中国→ヨーロッパ→宗教の始まり)、アメリカの文化発祥あたりまでが解説されていました(その他の地域は世界史Ⅱで解説している)。ヨーロッパとローマ教会のあたりでは地理に疎くわからない部分が多かったです。ハプスブルグ家の面白味がいまいち自分には理解できなくて残念です。もっとヨーロッパの歴史に興味を持ち、楽しめるよう勉強が必要だと思いました。その点中国の歴史は面白かったです。マンガや小説などで前知識があったため、すんなりと入ることが出来ました。十二国記やキングダム、三国志など中国のを題材にした作品はたくさんあり、史実と創作の違いを見つけることや、時代背景を知ることで、それら作品を一層楽しめると思いました。あと中国のすごさは「紙」を生み出し「記録」することにより、長い歴史を築き発展させることに成功したところが一番印象的です。

 人の事を知りたいなら、その人の本棚を見ればどんな人かわかるとか、その人の付き合う友人を見れば、どんな人か見えてくるといいます。国も人と似ていて、周辺の国を知ることで日本という国が見えてくると思いました。

 

「余談」

本当はもう何冊か、今日は読書感想をまとめたいと思ってたけど、出来なかった。

既に読んで書こうと思ってた本の候補は何冊かリストアップしていたけど、その時に何を自分が思ったのかいまいち思い出せなくて書けなかった。

だからこそ、読んだら新鮮な刺激があるうちにメモなり感想をまとめておくようにしているけど、そのメモを会社に忘れていた。

メモくらいなくても一度書いたなら書けるだろうと思って、ワードを開いたけど、駄目だった。

やっぱり本って読んだらある程度メモしておかないと、その時感じた感情が薄れてしまうし、何を思ったのか忘れて、勿体ない。

ただこれってつまり、メモがなければ書けないのなら、読んだ本は自分の中に知識として蓄積されていないのかなぁと思い、自分の頭の弱さに残念な気持ちになった。